さて問題です。
Q:弁当屋が「お弁当と一緒に、豚汁もいかがですか?」と勧めているのは、ビジネス戦略上、どういう意味があると思いますか?
A1:寒い時期だけの期間限定商品として売っている
A2:クロスセル商品として売っている
正解は、
「A2:クロスセル商品として売っている」でした。
厳密にいうと「A1:寒い時期だけの期間限定商品として売っている」は間違いではありません。
半分正解です。
たしかに、季節商品ということでお客さんは買いたくなるかもしれませんからね。
ですが、今回、ビジネス上もっと深い意味があることを知ってほしかったのです。
それが「クロスセル」です。
クロスセルとは、商品を売った時に、ついでの別の関連商品を売ることをいいます。
今回の例でいえば、豚汁が「関連商品」になります。
客からすれば「別に弁当だけでもいいけど、汁ものがついてた方がいいよな~」くらいで必ずしも必要とは思いませんが、それでも多くの人がついつい買ってしまいます。
なぜか。
それは、何か商品を買った直後は財布の紐がゆるんでいて、勧められたらついつい買ってしまう心理状態にあるからです。
もちろん、高いものだったら別ですが、安いものであれば「ついでに買ってもいいよな」という気持ちになりますよね!?
この消費者心理をうまく活用しているのが、マクドナルドです。
あなたはマクドナルドでハンバーガーのみを注文した時店員に「ポテトも一緒にいかがですか?」と言われたことはありませんか?
あれも、要は、ポテトという関連商品を売ることで「クロスセル」をおこなっているわけです。
一説によると、マクドナルドはハンバーガー単体では利益がほとんどでないそうです。
(よく考えたら、牛肉などの原価を考えたら1個100円では利益が出にくいですからね。)
ハンバーガーではなく、ポテトで利益を上げているようなのです。
(よく考えたら、ポテトって原価安いのに、価格が200円以上するっておかしいですからね。価格のうち、ほとんどが利益だと思います。)
つまり、マクドナルドは「クロスセル」で儲けているのです。
「クロスセル」で儲けているのはマクドナルドだけではありません。他にも数多くのビジネスで取り入れられています。
ネットビジネス業界もそうです。
たとえば、サイトアフィリエイトの教材を購入したら、その直後に「ホームページ作成ソフトもいかがですか?」みたいなセールスレーターに飛ばされることがあります。
これは「ホームページ作成ソフト」という関連商品を売ることでクロスセルをおこなっているわけです。
購入者からすれば、別にソフトがなくてもホームページをつくることはできるので必ずしも必要ではなく「あったら便利かな~」という程度です。
しかし、商品を買った直後で財布の紐がゆるんでいる心理状態なので、安かったらついつい買ってしまうかもしれません。
このように、消費者が何かを買った直後は、さらに別のモノを売りやすいタイミングだといえます。
実際、クロスセルを取り入れるだけで、売上は激増したという事例はよく聞く話です。
今後、あなたがマクドナルドに行った時、店員さんにポテトを勧められたら、「上手くクロスセルを仕掛けてきたな~」と思ってついつい買わないように警戒してみてくださいねw